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子猫を集めて積む

暫定手控えより正直に書くつもりの記録。言葉だけは惜しまない。

年明け

年が明けた。

2017年最初に手にした本は,村上春樹だった。

2017年最初に耳にした音楽は,バカラックのレコードだった。

2017年最初に聴いたシンフォニーは,シベリウスの一番だった。

2017年最初に口にしたのは,明治のフランボワーズのチョコレートだった。

2017年最初にみた夢は,ひとにお弁当を作ってあげる夢だった。

2017年最初にした返信は,あの子への「あけましておめでとう」だった。

2017年最初の食事は,昨晩みんなで食べた手巻き寿司の残りの酢飯で作ったレタス入りの卵チャーハンだった。

2017年最初にできた友だちは,キッチンで出会ったジャカルタ出身の女の子だった。

 

2016年を振り返ってみると,短いあいだに私の身の回りにはこれまで以上に多くのことが起き,たくさんの新しい友だちもでき,自分のかたちが大きく変わった。関係の新旧や深浅に関わらず,理解しあえる人も誤解しあっている人も私と根本的に合わない人も,どの一人との関係も今日の自分がいるためには欠かせなかったものであると,心からそうおもう。だから,怒りこそすれどもあまりものを恨まず多くのことに感謝できるようになった自分は,周りのひとや環境によく育ててもらえて本当にしあわせな人間なんだなと感じている。

 

そして,この年にもなってやっと「恨まない」のやり方ひとつ身につけて喜んだり,自分の食べたいものが何なのかとうとう少しずつ認識できるようになってきたような,未だに幼稚な自分自身のことも,最近は無理をさせずに可愛がってやろうとおもえてきた。また書くことがあるかもしれないが,2016年に出会った某漫画の5歳児と自分がそっくりだと気付いた日から急に,なぜかむしろ大人になれた気がしている。自分がホンモノのこどもなんだと受け入れたということだろうか。背伸びしなくていい場所で背伸びしても疲れるのはもちろんのこと,背伸びするべき場所であっても,えいっと伸びてみて結局転ぶのでは全く意味がないんだと知った。

 

また一方で,可能なら日本に帰りたくないという気持ちがいよいよ強くなった。お正月に相応しくない話題なのか,お正月だからこそ書くべき話題なのかはわからないが(これは本来FB上に書くつもりだからこのようなエクスキューズがある),私は「帰省」という言葉を使えない。「帰国」「帰阪」はできても,「帰省」は私にはできない。今後できる日が本当に来るのならば,それはどれだけ素晴らしいことか,と辛うじておもえるのが救いなのか,それともしがらみなのか,それもまだわからない。

――1057